2021年の日米中三カ国の自動車販売台数とEVシェア (2022/1/13)

 

 

昨年の日米中三カ国の新車販売台数が発表された。

 

今や世界最大の自動車市場となった中国では、昨年2627万台の新車が販売され、うち電気自動車(EV)は前年比2.6倍の291万台であった。昨年は遂にEVが新車販売の10%を越えた。

 

中国のEVの販売台数は絶対数で見ても、これは凄い記録である。昨年の日本の新車販売台数は444万台であるが、このうち165万台は軽自動車であり、登録車は279万台にすぎない。つまり、昨年の中国のEV新車販売台数は日本の登録車の販売台数を越えてしまった。

 

EVの伸びは米国でも同じである。米国では1493万台の新車が売られ、うちEV43万台を占めた。比率でいえば、2020年の1.6%から2.9%に拡大した。

 

一方、日本はと言えば、昨年EVの新車販売は対前年比で49%伸びたというものの、数で言えば僅か2万台にとどまる。電動車という言葉で括れば、日本は圧倒的にハイブリッド車が占める。日本市場の特殊性であり、今様に言えばガラパゴス市場とも言える。

 

この特殊性、電源構成が各国で異なること、充電設備が限られていることなど、いろいろと説明はあるが、自動車産業の将来を展望すれば、言い訳に拘り続ければ、かつてのパソコンや携帯電話の二の舞になりかねない。

 

昨年12月、これまで沈黙を守ってきたトヨタ自動車が、2030年までに4兆円を投資して年間350万台のEVを販売するという計画を打ち出した。これは、世界の流れから見れば当然の成り行きだろう。

 

電動化という自動車を巡るエネルギー革命が起きつつある中で、この10年の間に世界の自動車業界の地図が大きく書き換えられても、全く不思議ではない。

 

振り返ってみれば、1970年代に起きた石油危機までは、米国のビッグスリーが圧倒的な存在であった。ところが石油価格の高騰と排ガス規制という環境変化を契機に、当初は新参者でしかなかった日本の自動車会社が躍進し、今やトヨタ自動車が世界最大の自動車会社になった。まさに栄枯盛衰は世の習いである。

 

 

 

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