失言の波紋 (2013/8/4)

 

 

729日に都内で開かれたシンポジウムにて麻生副首相兼財務大臣が引き起こしたナチス発言が海外でも問題となり、彼、いやそれ以上に自民党は慌てたようである。当の麻生氏は発言を撤回し、苦しい言い訳をしたものの、だれの目にも明らかな失言であった。

 

インターネットで「麻生」と「失言」をかけて検索すれば分かるように、彼はこれまでに何度も失言を繰り返している。昨日の日経BPネットで、田原総一朗氏がこの問題について、彼がこれまでもきわどい発言や失言を繰り返してきたことあげ、問題の大きさへの認識が欠けていると述べた。田原氏によれば、彼はサービス精神が旺盛で口が滑ることが多いという。

 

麻生氏に限らず、日本の政治家はこの手の失言を結構引き起こす。これは先進国の政治家として褒められる話ではないどころか、お粗末の一言に尽きる。これは日本の政治文化と民主主義の浅さに起因するのだろうか。アメリカでも政治家の失言はあるが、それをやれば、まず政治生命が絶たれる。少なくとも重要な地位にある政治家は、自らの言動に相当の注意を払うし、一方、民衆は政治家がどのような考えを持っているのか非常に強い関心を持って見ている。

 

そんな政治環境であるが故に、大統領選にあたって、候補者同士のディベートは選挙の当落を決める重要な関門となる。発言する原稿には専門スタッフによるチェックが何度も入り、話す時の間の取り方、語りかけ方まで、細微に渡って注意が払われる。残念ながら、日本の政治家にはこのような配慮がないようである。一方の国民の側にも、「彼は大物だから、多少の物言いのまずさに、いちいちけちを付けるな」といった風潮が未だに残っている。

 

少なくとも、知性が疑われるような発言には、十分に気をつけた方がよかろう。そういえば、歯に衣を着せない石原慎太郎氏が、「漢字もろくに読めないやつが首相になった」といった趣旨の嫌みを言ったことがありました。

 

 

 

 

説明: 説明: SY01265_古い出来事」目次に戻る。

 

説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: door「ホームページ」に戻る。