アップルとFBIの戦い (2016/4/3)

 

 

昨年、カリフォルニア州の福祉施設で起きたテロの際にテロリストが所持していたiフォンのロックを外すよう、米国司法省が裁判所を通してロック解除を求めていた法廷闘争は、先週、FBIがロック解除に成功したことで、司法省は申し立てを取り下げた。ちなみにロック解除には、イスラエルの犯罪科学関連のソフトウェア企業が協力していたと伝えられる。

 

いずれにせよ、意外とあっけない幕切れであった。

 

この法廷闘争、国家の安全保障が優先するのか、あるいは個人情報の保護が優先するのかという議論に至った。このアップル対FBIの対決、面白いことに2月の世論調査では、FBIの支持が半数を超え、アップル支持は40%を切っていた。民主主義の根幹に関わる個人情報の保護について、意外と米国の世論は冷ややかであった。

 

アップルの主張は明確である。米国政府に屈して、情報のバックドアを与えれば、他の国々からもその要求が出てくる。アップルはグローバル企業であり、国を離れようとしている。それが、政府の命令で個人情報を流すようになれば、企業の存続に関わる。

 

この点は一理ある。そもそも、民主国家である米国政府ならば良かろうなどと言う甘い考えは持たない方がよい。ウィキリークスのスノードン事件で明らかになったように、米国の諜報機関はドイツとフランスの首脳の携帯電話を盗聴していた。多分、日本の首相の電話など端から筒ぬけだったのだろう。

 

アップルは国と争い、筋を通したが、その一方で、別の問題も抱えた。ご自慢のセキュリティーシステム(10回アクセスに失敗すると全ての情報が消去される)が意外と簡単に破られてしまったのだから。

 

 

 

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