政府のテレビ報道規制に対する海外の目 (2016/2/26)

 

 

220日号のエコノミスト(The Economist)誌が、日本政府によるテレビ報道規制について記事を書いている。因みにこの記事には、ニュースのアンカーの口に日の丸を描いた猿ぐつわを噛ました挿絵が添えてある。

 

内容は、古舘伊知郎(テレビ朝日・報道ステーション)、岸井成格(TBS・ニュース23)、そして国谷裕子(NHK・クローズアップ現代)の各氏が政府の圧力で降板することになった事件を採り上げたものである。英国(もちろん米国でも)の基準で言えば、政府が圧力をかけてアンカーを引きずり下ろすなど、まずあり得ない。そんなことをすれば、政府の威信に傷が付く。

 

それを示す良い例がある。NHKが受信料問題でよく引き合いに出す英国のBBCには、ハードトークという番組がある。そこでは、司会者が政治家と対面して、丁々発止と口角泡を飛ばした議論を行う。NHKでは絶対に見られない番組企画である。同じように強制的に受信料を取っていても、NHKBBCの間には、メディアとしての誇りに雲泥の差がある。

 

(読売テレビと資本の繋がりのある)読売新聞についても、福田康夫政権当時、大連立構想の与野党の話し合いの裏で、渡辺恒雄氏が画策したという話を紹介している。これには、新聞メディアとして、利害の背反と言う概念(と言うよりも倫理観)など持ち合わせていないというコメントが付いている。

 

日本は自らを民主主義に基づいた先進国であると思っているものの、英国の記者の目から見れば、政府によるテレビ報道規制がまかり通るというのは、異常な状況なのだろう。

 

英国や米国では、メディアが時の政権に厳しい意見を示すことは珍しくないし、メディアによって論調も異なる。それに対して、正々堂々と反論することが時の政権というものである。それが出来なければ、政権の座を退いて頂くだけの話である。ロシアや中国ではあるまいし、報道が偏っているか、いないかを判断するのは、政府ではない。国民11人である。

 

 

 

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