2020年米国大統領選挙 (2020/10/31)

 

 

来週火曜日には、米国大統領選挙の投票が行われる。決め手となるのは、トランプとバイデン候補の支持が拮抗する幾つかの州の成り行きで、とりわけ票田として大きいペンシルバニア州とフロリダ州の結果である。

 

選挙戦終盤に入って、トランプの追い上げが凄い、あるいは両者の支持率の差がどうのこうの、といったコメントがマスコミを騒がせている。そんな中、比較的定量的にモデル分析しているのがエコノミスト誌だと私は思っている。

 

今日のアップデートによれば、バイデンが選挙人の数で勝つ確率は96%、全投票数で勝つ確率は99%と予測している。選挙人の獲得数の予測はバイデンが253415、トランプが123285である。過半の270をとれば勝ちなので、バイデン勝利の可能性が極めて高い。

 

私もトランプの勝ち目は極めて低いと思っている。

 

前回の2016年の選挙では、まさかと言われたトランプがヒラリーを破ったが、その裏には、それまでの政治に不満を持っていた中間層が、型破りではあるが世の中を変えてくれそうなという期待を持ってトランプに票を投ずるという流れがあった。ヒラリーは所詮既得権者(Establishment)の一人、と見られていたこともマイナス要因であった。

 

しかし、今回は中間層がトランプになびく可能性は低い。

 

重厚長大産業の労働者の生活がトランプ政権下で抜本的に良くなったかと言えば、イエスとはならなかった。トランプは減税も行ったが、その御利益は逆進的で、お金持ちは大きな恩恵にあずかったが、庶民にとって大した話にはならなかった。

 

外交政策では、北朝鮮や中東問題で何かこれまで以上の成果が出たわけではない。欧州との関係では、同盟国としてのアメリカの信頼を壊してしまった。

 

COVID19への対応は、絶望的な結果でしかなかった。しかも現在も進行中である。これまでの米国の死者数は23万人に達する。自身も感染したトランプは、最良の医療技術と金に糸目を付けない治療であっという間に回復したことで意気揚々としているが、庶民がそんな治療を受けられるわけではない。そもそも治療費が高すぎて、簡単には医者にかかれないのが米国の医療制度である。

 

 一方、バイデンが強い大統領になれるかと言えば、それもノーである。彼の78歳という年齢を考えれば、28年の大統領就任は考えられない。14年の大統領にとどまるだろう。しかし、トランプが過去4年間で引き起こした社会の分断、外交と経済の混乱、そしてコロナパンデミックの傷を、完全にとは言わないが、少しずつでも回復することは出来るだろう。

 

いずれにせよ、あと3日もすれば選挙結果が出る。

 

 

 

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